それでは、灯りを消してください。
リマスター版の発売を心から喜びたい。まさに心躍る体験だ。 『沈黙の世界』にエコロジカルなメッセージを期待される方は驚くかもしれない。 彼らは探求するだけで、自然保護を訴えたりはしない。 むしろ禁じ手もいいところ、ダイナマイトを海中に仕掛けて生息魚を採取したり、 自然な魚群に餌付けをしたり。。。 今日びの自然保護団体が観たら卒倒を起こすな、間違いなく。今にして観ると人類の傍若無人さに激しい苦笑を覚えることが出来る。 偽善も欺瞞もない。ひどく我がままで美しく楽しい。 楽しさだけなら『アトランティス』や『ディープブルー』は太刀打ち 出来ないだろう。犬もかわいいし、船上での食事も美味そうだし。 それは「人間を水から(自ら、か?)解放する」ための試みである。 ドキュメンタリーというよりはルイ・マルによって見事に、 人間に都合の良いように編集された都合の良いクストー伝にも観える。 (その手腕も見事、です。だから困る)。 しかし、それから20年後(今から30年前)の『世界の果ての旅』(南極の海洋での撮影)で クストーは俄然、「この自然を守る」と宣言。 世界中の環境保護政策に真の影響を与えることになる。 だからこそ、この3部作は結果として、人間がテクノロジーで海を制服しようとする時代から、 海を守ろうとする時代までの僕らの歴史を綴ることになった。 そこに、この3部作には破格の価値がある。 惜しむらくは日本語吹き替えがないこと。 あれば子供にどれだけ大切なことを伝えられただろうかと思うと残念。 子供を傍らに座らせて自らの解説付きで何度も観よう。 子供が字幕を読めるようになるまで。 それでは、灯りを消してください。
海洋映画のマストアイテム!
話題の「ディープ・ブルー」「アトランティス」などの 海洋ドキュメンタリーは、クストーの「沈黙の世界」がなければ 存在しなかったはずです。 クストー映画の功績はそれくらい言えると思います。 これら3作品は、劇場公開時にとても感動しまして、 DVDで再び堪能できることを喜んでいます。 スキューバを生み出したクストーが、探検チームを率いて 初めて海中の本格的撮影に挑んだ「沈黙の世界」。 冒頭のシーン、たいまつの様なライトを手に持って 海の奥深くに潜って行く神秘的な場面のアングル・色合いの 何と美しいこと! (フランス映画ならではの徹底した美意識でしょうか?) イルカやクジラとの感動的な交流、サメとの格闘、また珊瑚礁に 生きる小さい生物の観察など、本当にドラマテッィクです。 人類が初めて海中基地で暮らし、深海300メートルに到達する という海底探検を追った「太陽のとどかぬ世界」は、 まさに海洋版「2001年宇宙の旅」と言えるくらい、 神聖で緊張感のある雰囲気です。圧巻です。 最後は、人類が初めて南極の氷の下に潜った「世界の果てへの旅」。 南極の厳しい環境を思い知らされると同時に、 そこに生きるペンギンやシャチやクジラなどとの感動的な出会いや ユーモラスな姿が心和ませます。 3作とも元々綺麗な映像の映画でしたが、 今回デジタルリマスターということでさらなる映像美を味わえる、 ということが嬉しいです。
コロムビアミュージックエンタテインメント
ブルー・プラネット DVD-BOX ジャック=イヴ・クストー 海の百科 DVD-BOX ジャック・マイヨールの海と夢 [DVD] ワンダー・アンダー・ウォーター 原色の海 [DVD] BBC ワイルド・ライフ エクスクルーシブ DVD BOX
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